セクシュアルマイノリティ当事者にとっては一大イベントである、カミングアウト。
その中でも、自分の親へのカミングアウトは最難関かもしれません。
やはり多くの人にとって親は特別な存在でしょうし、全くの他人ではないので避けづらいです。
今回は筆者の実体験も含め、LGBTに関する複数の書籍を参考に、親にカミングアウトする方法を紹介します。
私は数年前に母親にカミングアウトし、現在も母親との関係は良好です。
できれば、関係を崩さず円満にカミングアウトできて、否定もされないことが理想ですよね。
円満なカミングアウトに少しでも近づけるよう、この記事を読んで準備してほしいです。
親にカミングアウトするかはあなたの自由
大前提として、親にカミングアウトするかしないかは自由です。
まだ迷っている人もそのままで大丈夫。
迷っている人は
- この記事を読む
- ネットで調べる
- 本を読む
- 他の人の話を聞く
などをした上で、最終的に親にカミングアウトするかしないか決めればいいのです。
急ぐ必要はありません。
もしカミングアウトするなら、この記事を読んでやり方を参考にしてくださいね。
ポイント①親にカミングアウトする理由を考える
さて、カミングアウトをする場合の話を進めていきます。
カミングアウトするなら、
なぜカミングアウトするのか?
をある程度は明確にしておくと良いでしょう。
自分の中で理由を探すことによって、言いたいことを整理できるし、伝えたいことも自然と出てくるからです。
今回は親へのカミングアウトなので、「自分のことを理解してほしい」「親に自分を偽りたくない」などが理由になるかもしれません。
ポイント②あなたの親はカミングアウトしても平気な人ですか?
さて、カミングアウトをする上で一番重要なことは、
その相手がカミングアウトしても大丈夫な人かどうか見極めることです。
今回の場合は、親がカミングアウトを受け入れてくれそうか、そうではないかを見分けることが重要になります。
いくら親でも、あなたのすべてを理解しているわけではないし、受け入れてくれるかはわかりません。
家族と言えどもここは慎重にジャッジしましょう。
見極め方
では、どうやって親が受け入れてくれそうか見極めるのか。
普段の会話でLGBT関連に対する反応を見る
はい、もうこれだけです。これしか方法はありません。
どんな話題でどう反応を見ればいいか、例を出して説明していきますね!
- テレビ等で関連のニュースや話題が取り上げられているとき
王道パターンはこれです。
親がチャンネルを変えたり、「最近はこういうよくわからない人が多いよね」などと、LGBTに否定的あるいは後ろ向きな発言を見せた場合、カミングアウトは慎重になったほうがいいです。
せっかくカミングアウトをしても、受け入れてもらえない可能性が高いです。
- 結婚、出産系の話題
次に多いのが、この話題。
「孫の顔が見たい」とか、「彼氏(彼女)とかはいるの?」、「結婚しないの?」などと聞いてくる場合はちょっと怪しいです。
”結婚はするもの”、”異性愛が前提”といった固定概念がありそうな感じがしますよね。
逆に、「恋人はいるの?」と聞いてくる場合は、理解がある可能性アリです。
アセクシュアルについては知らないのかもしれないけど…
少なくとも、同性愛には若干配慮はありそうですね。
親がLGBTに否定的な場合
探ってみた結果、どうやら親がLGBTを受け入れてくれなさそうな場合、早急にカミングアウトするのは危ないかもしれません。
いくらあなたが頑張ってカミングアウトして、理解を得ようとしても難しい可能性が考えられます。
このような場合は、まずは親に正しい知識を入れることと、ポジティブなイメージに持っていくのが良いと思います。
例えば、LGBTに否定的な発言を聞いたら、「そうかな?そんなことないんじゃない?」とやんわり否定したり。
間違った知識を持っているようなら、「それは違うらしいよ」「学校でこう習ったよ」など、正しい情報をそれとなく投げてみましょう。
そうすることで、また親からの反応が返ってくれば、それも見極める材料にできます。
時間をかけて、LGBTに対する否定的な考え方が変わってきたら、改めて次のステップに進みます。
もし考え方が変わらないようなら、厳しいことを言いますがカミングアウトは上手くいかない可能性があります。
それでもカミングアウトを試みるか、一旦諦めるかはあなた次第です。
LGBTに否定的でない場合でも注意
肯定的とまでは言わずとも否定的でなければ、カミングアウトしてもワンチャン大丈夫かも。
ただ、ここで一つ覚えておいてほしいことがあります。
それは、「偏見はないけど、自分の家族(今回ならあなた)は別。(認めたくない/受け入れられない)」のパターンもあるということ。
嫌悪感や差別するつもりはないけど、それはあくまでも他人の話で、家族となると…
このパターンはけっこう多いです。
なので、本当にワンチャンです。カミングアウトに100%はないのです。
命がけと言ったら大げさだけど、子どもからしたら親へのカミングアウトってそれくらい勇気のいることだよね
当事者の嗅覚は鋭い
少なくとも、親とはこれまで何年か一緒に過ごしてきているので、何なくどっちのタイプかわかると思います。
「うちの親はたぶん大丈夫そう」「たぶん理解してくれないだろうなぁ…」という具合に。
意外と子どものそういう能力ってあなどれません。
当事者はただでさえ、そういう”見極める嗅覚”には優れている人多いですしね。
ポイント③カミングアウトで親に何を伝える?
カミングアウトをすると決めたら、カミングアウトで何を伝えるかを整理しましょう。
闇雲にカミングアウトしても、言いたいことが伝わらなかったら、せっかく勇気を出したのにもったいないです。
何を伝えるかというのは、たとえば性自認のことを言うのか、性的指向のことを言うのか、パートナーのことを言うのか、「こう扱ってほしい」「こういうところが苦しい」と言うのか、どこまで詳しく話すのか…などです。
これはあなた次第なので、自分が言いたいことを伝えましょう。
伝えたい要点をいくつかピックアップし、そこに肉付けしていくイメージです。
また、親から質問されたらどこまで答えるかを想定しておくと良いかもしれません。
はるまきの場合…
自分の場合、要点は
①自分は男でも女でもないと思っている
②男と結婚する気はない。子どもを産むことはできない。
でした。
そこに以下の内容を肉付けしていったよ!
①だから服装や見た目の関係で成人式には出たくなかった。メンズの服装も、メイクをしないことも、社会に出ても変わらないと思う
②男性と付き合ったこともあったけど、やっぱり女性しか好きになれなかった。日本では同性婚ができないから結婚は不可能。自分が出産するという選択肢はない。養子をとったり、相手が産むのはゼロじゃないけど。
伝える方法は何でもOK
口で言うのが難しかったら、紙に書いたものを渡したり、今ならLINEのメッセージで言うのも全然アリだと思います。
面と向かって言うのは緊張するもんね…
ポイント④親にカミングアウトするタイミングはいつ?
最後のステップは、カミングアウトするタイミングを決めることです。
ベストなタイミングはその家庭によるので一概には言えませんが…
きっかけがあると言いやすい
ただ、何かのきっかけがあればそれに乗じて言いやすいとは思います。
例えば、進学や上京、友人の結婚や出産のとき、久しぶりの帰省、成人式や卒業式などのイベントを控えて…など。
ちなみに私は、進学と上京のタイミングが同じだったので、その時に言いました。
20歳も超えてたし、ひとりの大人として伝えました。
受け入れてもらえなかったら
勇気を出してカミングアウトしたけど、受け入れてもらえなかった場合。
まずはよく頑張りました!自分を褒めてあげましょう。否定的にならずに。
あなたがもう自立しているなら、親に受け入れてもらえなくても生きていくことはできます。
友達など、親以外の人が受け入れてくれるかもしれません。あなたは一人じゃないです。
時間が経てば認めてくれるようになるケースもありますしね。
家を追い出されるケースも
カミングアウトが受け入れられなかった場合、「出ていけ」「もう帰ってくるな」「二度と家の敷居をまたぐな」などと、家を追い出されてしまうケースも残念ながら存在します。
未成年だったら行き場がなくなってしまいますよね。
だからこそ慎重に見極める必要があるし、自立してから言うのもありだと思います。
まとめ
繰り返しになりますが、カミングアウトは本当に勇気のいることです。
まして親なんてラスボスって感じです。
それでもやっぱり家族だし、カミングアウトしようと思っている人はいるでしょう。失敗しないように細心の注意を払ってください…!
上手くいかなくても、落ち込まなくて大丈夫です!
親だって完璧じゃないし、他に受け入れてくれる人は絶対にいます。
あなたが親と分かり合えることを応援しています。
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