今回はLGBT当事者に向けた記事で、「履歴書の性別欄はどう書いたらいいの?」問題を解決したいと思います!
私はXジェンダー/ノンバイナリーです。
就活では企業にカミングアウトして内定もらえました。
Xジェンダー当事者の私が就職活動で性別欄をどう書いたかをお伝えします。
後半では備考欄にセクシュアリティのことを書くかどうかも触れています。
書類でセクシュアリティをどう伝えるか?そもそも伝える必要があるのか?
も書いているので最後まで読んでくださいね。
ちなみに、LGBTが就活で困ることや悩むことをまとめた「自分らしく働く LGBTの就活・転職の不安が解消する本」という本があります。
私も就活のときにお世話になった本です。
服装やカミングアウトは就活のときLGBTが一番不安な問題ですよね。
就活のときだけでなく就職してから起こる問題や、LGBTフレンドリーの企業の取り組みなども載っていて、大変参考になりました。
私のように就活で悩んでいるLGBTの人はぜひ読んでみてください。おすすめですよ。
前提:会社にカミングアウトする?
まず履歴書の準備をする前に、大前提として就職で会社にカミングアウトするかしないか決める必要があります。
なぜなら、それによって企業へのアプローチが変わるからです。
カミングアウトしないなら、履歴書や面接でセクシュアリティのことに触れる必要はないし、社会で扱われる性に〇を付ければ大丈夫です。
※社会が扱われる性とは下記のような場合です。
トランスジェンダーでホルモン治療などを行っており、見た目にわりと変化が出ていて、戸籍上の性別を選択するとかえって混乱を招く場合は、心の性別を選ぶと良いでしょう。
Xジェンダー/ノンバイナリーと自覚しているが、戸籍上の性の服装をすることに抵抗がない場合、戸籍上の性別を選択して問題ないでしょう。
あなたは、会社にカミングアウトしますか?
まずはカミングアウトするのかカミングアウトしないのかを決めておきましょう。
しない場合は上記の対応でOKですし、する場合の対応はこの先で触れています。
今の時点で決まっていない方も、この記事を読んで参考に決めてもらえれば大丈夫です。
性別欄の対策5選
さて、カミングアウトする場合の性別欄について、「どう書けばいいのか」をお伝えします。
性別欄問題の対策手段は以下の5つです。
- 空欄で出す or 〇をつけない
- 「男・女」の「・」に〇をする
- 正直に書く
- ダウンロードした履歴書を編集して性別欄を消す
- 性別欄がない履歴書を買う
1から順に説明していきますね。
1.空欄で出すか、〇をつけない
まずは非常にシンプルに、性別欄に何も記入しないパターン。
性別に〇をつけるタイプではなく、自由記入式の履歴書の場合は、何も書かずに空欄で提出します。
〇をつけるタイプの場合は、どこにも〇をつけずにそのまま出すやり方です。
2.「男・女」の「・」のところに〇をする
次に「あえて〇をするなら…」といったやり方で、性別欄の「男・女」の「・」の部分に〇をつけて出します。
ネットでも、空欄で出すか「・」に〇をつけるか、この2つのやり方が多く見られました。
1と2どちらのやり方でも提出したことがありますが、幸いにして面接官からツッコまれたことはありません。
昨今の事情に敏感な面接官なら、もしかしたら察してくれるかもしれません。
ただ、ツッコまれた時の回答は事前にきちんと用意しておいたほうがいいです。
ツッコまれてしどろもどろになってしまうと、いい印象は与えないでしょうからね。
3.性別欄に直接書く
次は、性別欄に直接「戸籍の性別は〇〇」「心の性別は〇〇」など、正直に書く方法です。
空欄で出したり一応〇をつけるといった1や2のやり方と違うところは、書類の段階でカミングアウトする点。
この方法で出したことがないのでなんとも言えませんが、面接では多分ツッコまれると思います。
空欄や「・」に〇をつけても面接で何も聞かれずにすむ可能性がありますが、書類でカミングアウトすると多分スルーはされないでしょう。
ただ、書類に書いておけ面接官から聞いてくると思うので、自分から言うハードルはなくなります。
4.履歴書を編集して性別欄を消す
今はタウンワークやマイナビのホームページから履歴書のダウンロードできるようになっています。
ダウンロードした履歴書を自分で編集し、性別欄を完全に消してそもそも書かないという方法です。
私はほぼ全部このやり方で提出していましたが、面接でツッコまれたことは一度もありません。
空欄でもよかったのですが、まるごと消したほうがすっきりしたので、就職活動は性別欄を消した履歴書をずっと提出していました。
5.性別欄がない履歴書を買う
最近では性別欄のない履歴書が売っているのをご存知でしょうか?
コクヨ株式会社などから発売されており、性別欄に「任意記載」と書かれているものもあります。
テンプレサイトなどでダウンロードしても良いでしょう。
こんな履歴書も出たなんて時代は変わってきましたよね~
厚労省も性別欄から男女の選択肢をなくした履歴書の様式例を出していて、少しずつ多様性の社会になっていますね。
厚労省:ジェンダー統計の観点からの性別欄の基本的な考え方について(pdf)
さて、カミングアウトする場合の性別欄について5つの方法を紹介しました。
結論はどのやり方でもOK。どれが良いということはなく、自分が好きなやり方で大丈夫です。
カミングアウトするつもりがあるなら、面接で自分から言う必要があるので、あらかじめ書類でカミングアウトしておくのも手だと思います。
備考欄に記入する
書類で企業側に伝える場合、性別欄だけではなく備考欄もあります。
通常「貴社指定に従います」と書く欄ですね。備考欄でなくても「その他特記事項欄」や「本人希望記入欄」などでかまいません。
備考欄に「戸籍の性別が〇〇なので△△です」「心の性別が〇〇なので××です」など正直に書く方法です。
備考欄にはこう書いてたよ!
面接で自分から言うのが嫌だったので、「何か聞きたいことがあるならそっちから聞いてくれ!」スタンスでした。
このやり方だとほぼ間違いなく面接では詳しく聞かれます。
実際に面接で以下のように質問されました。
どういう服なら着れますか?
トイレはどうしますか?男性用と女性用の2種類しかないのですが…
面接では角が立たないようにきちんと伝えましょう。
転職エージェントに言われたこと
私は就活で転職エージェントを利用しており、必ず性別欄のことを相談していました。
どうやら私のような例はあまりなく、はっきりとした回答は得られませんでした。
でも、ほとんどの人から
空欄で出す
備考欄に書く
面接のとき自分で言う
と言われました。
空欄で出すか、「・」に〇を付けていいと思います
面接のとき、ご自分でセクシュアリティのことについてお話してもらうのがいいかもしれないです
プロの転職エージェントでも「これが正解!」というのは無いので、自分のやり方で問題ないでしょう。
学生時代の研究や課外活動に絡める
今度は少し別の切り口からいきましょう。
絶対に隠したい!という方には当てはまりませんが、学生時代の研究や課外活動などのアピールでほのめかすのも一つの方法です。
これにより、カミングアウト前に企業の反応を見ることができる可能性があります。
例えば、大学時代のゼミや卒論でLGBTを扱っていたり、LGBTの活動に参加した経験があり、履歴書に書くとします。
面接でその研究内容や活動について詳しく聞かれたら、LGBTのあなたに興味があるかもしれないということ。
少なくとも、セクシュアリティに「触れられない企業」もしくは「触れたくない企業」かどうかは判断できます。
私は学生時代の研究か課外活動のどちらかで、LGBTの要素を入れて様子を見ていました。
転職ならまだしも、就活なら普通は学生時代の研究について記入しますし、面接でも大体聞かれますよね。
そこで聞いてこないということは、まだ多様性やダイバーシティへの理解が進んでいない企業なのかもしれません。
聞きたくても聞けない企業かもしれませんが、求職者がわざわざ書いているということは、求職者にとって「触れてほしくない話題」ではないはず。
面接は求職者も企業を判断する場なので、LGBTの観点はこの方法を使えばある程度ジャッジできると思います。
バレたくない人は、無理に伝えなくていい
今回は性別欄の対策や備考欄に記入するやり方を紹介してきました。
しかし、書類や面接で必ずしもカミングアウトする必要はありません。
カミングアウトは本人の自由であり、義務ではないからです。
一番大切なのは、あなたが無理なく働ける環境で、周囲から孤立せず働けること。
そのためにカミングアウトが必要なら言ったほうがいいですし、カミングアウトして働きづらくなるなら伝えないほうがいいでしょう。
だから、セクシュアリティを伝えるか伝えないかはあなたが決めていいのです。
ただし、勘違いしてほしくないのは、あなたを雇う企業側にも選ぶ権利があり、セクシュアリティのことを懸念する企業もあるということ。
お互いに選ぶ権利がある以上、それは当然のことです。
だからこそ、自分らしく働ける会社かどうかをジャッジする必要があるのです。
以上のことを踏まえたうえで、企業に伝えるか伝えないかを判断していただければと思います。
セクシュアリティで落とすような会社は気にしなくていい
もしセクシュアリティが原因で落ちるようなことがあったら、その企業とは縁がなかったと割り切りましょう。
仮に採用されても、あなたのセクシュアリティを良く思っていない会社では苦しい思いをするかもしれません。
どうせ働くなら、理解があってあなたのことを受け入れてくれる会社で、気持ちよく働いたほうがいいに決まっています。
セクシュアリティを伝えるかは自由
今回の記事のまとめです。
セクシュアリティを伝えるか伝えないかはあなたの自由であり、自分らしく働けることが大切です。
履歴書も面接も就活・転職では避けて通れないので、自分にあったやり方や伝え方を探してみてください。
きっと、あなたを受け入れてくれる企業はあるはずです。
就活に不安で悩んでいるなら、ネットや本の情報も参考にしてくださいね。
最後にもう一度おすすめの本を紹介しておくので、気になる人は読んでみてください。
もちろん紙媒体だけでなく電子書籍でも読めますよ。
コメント
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