性別に違和感があるけど、これって思い込んでいるだけなのかな?
このように悩んでいる人もいるでしょう。
一方で、
Xジェンダーって思い込みでしょ?本当は違うよね?
と思う人もいるかもしれません。
ジェンダーは多様であり、広く知られているLGBTだけではありません。
Xジェンダーも数あるジェンダーのひとつです。
あなたが「自分はXジェンダーだ」と感じるのは自由であり、表現する性も個人の自由です。
たとえ思い込みや勘違いでも、Xジェンダーを自認していいし、名乗っていいと思いますよ。
「Xジェンダーは思い込み」と言われるのはなぜ?
Xジェンダーって思い込みじゃないの?
と言う声も目にしますが、なぜでしょうか。
Xジェンダー当事者ではない人が「Xジェンダーは思い込みだ」と言っているパターンが多くないですか?
非当事者からすると、
- Xジェンダーの価値観や考え方が理解しにくい
- トランスジェンダーとXジェンダーを比べている
という点で「Xジェンダーだと思い込んでいるだけなのでは?」と感じてしまうのかもしれませんね。
性別に違和感があるのってトランスだけじゃないの?
Xジェンダーの性別違和の感覚はトランスジェンダーほど強くない場合があります。
そのため、トランスジェンダーの中には
性別違和が弱いなら、Xジェンダーなんて思い込みじゃん
と考える人もいるようです。
また、「自分はXジェンダーかもしれない」と思っている人でも、
Xジェンダーって自分で思い込んでるだけで実は違うのかも…
と悩んでしまうことがあります。
思春期特有のジェンダーへの思い込み?
特に思春期は「性別に違和感がある」と、性別違和を感じる人も多いでしょう。
思春期は第二次性徴をむかえて性に敏感になったり、アイデンティティを模索する時期でもあります。
思春期にXジェンダーを自認してずっと変わらない人もいれば、年齢とともにシスジェンダーに落ち着く人もいます。
シスジェンダーとは、性自認と生まれの性が一致している人のこと。
また、性別への違和感が強く性別適合手術をしたけど、手術後に性別違和が弱まったという人もいます。
反対に、結婚や出産を機に性別への違和感が芽生えたり、強くなったという人もいます。
このように性自認は変わることもごく普通にあり、性別違和の程度が変わることもあるのです。
Xジェンダーという自認も一過性かもしれない。
性別違和も落ち着くかもしれない。
でも、そうではないかもしれない。
それは本人にもわかりません。
年齢を重ねてXジェンダーや性別違和を自認しなくなる人もいるため、
性別に違和感があるのは、思春期の勘違いや一時的な思い込みではないか
と言う人がいるし、本人もそう思ってしまうパターンが多いのです。
思い込みのXジェンダーでもいい
自分でもはっきりしないけど、Xジェンダーって名乗ってもいいのかな?
本当に自分はXジェンダーなのかな?
このように悩んでいる人もいるでしょう。
私個人の意見は、Xジェンダーという思い込みでもいいと思います。
Xジェンダーだと思い込んでるだけ?
- Xジェンダーだと思い込んでいるだけで本当は違う
- 本当にXジェンダーである
この2つを判断するのは非常に難しいです。
なぜなら、Xジェンダーかどうかを客観的に判断する基準や指数がないからです。
ただ、
自分の性別そのものに違和感がある
周りから男性/女性として扱われるのが嫌
なのかは判断できるでしょう。
自分の性別そのものに違和感があるという人は、Xジェンダーや性別違和かもしれません。
たとえば、
- 自分の身体や性器が嫌で見たくない
- 女性特有の月経が嫌
- 男性特有の声変りが嫌
この場合、性別特有の身体的特徴に嫌悪感があるため、思い込みではなくXジェンダーの可能性があります。
一方、周りから男性/女性として扱われたくないという人は、社会が決めた性別らしさがなくなれば平気になる人もいるのではないでしょうか。
この場合は、Xジェンダーや性別違和の思い込みかもしれません。
例で言うと、自分が女で嫌だと思っている人がいるとします。
でもスカートやメイクが男性も当たり前になったら、自分が女で嫌だという感覚はなくなるかもしれないですよね。
この例では身体的特徴に違和感があるわけではありません。
そのため、Xジェンダーだと思い込んでいる可能性も考えられるのです。
Xジェンダーという思い込みかは、時間をかけてわかる
先ほども言いましたが、Xジェンダーだという自認がその時だけなのかは誰にもわかりません。
性別違和も同様です。一時的なものかもしれないし、そうではないかもしれない。
性自認が変わることはあり、Xジェンダーなのか勘違いだったのかは、時間をかけてわかるものです。
性自認だけでなく、性的指向が変わることもあります。
ジェンダーアイデンティティをすぐに判断できないのは当たり前。
自分は何なのか、すぐに決める必要はないし、決めなくてもいいと思います。
ゆっくりでいいよ!
でも名前やラベルがつくと安心できたり、楽になりますよね。
実際、Xジェンダーだとわかってすっきりしたという当事者は多いです。
私もXジェンダーだと気づいたときは、すごく納得できました。
Xジェンダーだという思い込みでいい
私は
別に思い込みでもよくない?
と思っています。
「Xジェンダーだ」と思い込んでいただけで、時間が経って性自認が変わってもいいのです。
一度決めたアイデンティティを変えられないルールはありません。
あなたが楽になれることが一番大事ですよ。
名前が付いて安心するならそれでいいと思います。
筆者の場合:Xジェンダーは思い込みじゃなかった
私はXジェンダーだと自認してから10年近く経ちましたが、今のところ性自認は変わっていません。
どうやら勘違いではなかったようです。
Xジェンダーだと自認した話はXジェンダーだと気づいたきっかけは”彼女”と呼ばれたこと!?に詳しく書いたので、ここでは簡単に説明しますね。
Xジェンダーだと気づいたきっかけは”彼女”と呼ばれたこと!?
私はFtXで身体の性は女性です。
でも子どものころから、自分のことを女だとは思っていませんでした。
- スカートが嫌いでズボンが好き
- 髪を結ぶのが大嫌い
- 少年漫画やかっこいいものが大好き
- おままごとやシルバニアファミリーも好き
など、昔から中性を体現しているような子どもでした。
思春期になっても、自分は女ではないという気持ちがぼんやりとずっとありました。
大学生のとき、付き合っていた男性から”彼女”扱いされたことに強烈な違和感と嫌悪感をおぼえます。
でも、男性になりたいわけではないんです。
男になりたいわけじゃないから、トランスじゃないよな…
じゃあ自分って何なんだ?
違和感と嫌悪から間もないころ、本でXジェンダーの存在を知ります。
『Xジェンダーって何?』という本です。
この本について詳しく知りたい人はXジェンダーのことが知りたい!おすすめの本は『Xジェンダーって何?』を読んでみてください。
お私はこの本に出会えて心の底から良かったと思っているので、「自分ってXジェンダーかも?」と思っている人におすすめですよ。
この本を読んで「これだ!」と思い、そこからXジェンダーを名乗るようになりました。
LGBTには当てはまらなかったけれど、Xジェンダーは腑に落ちたんですよね。
そこから今まで、ずっと自認はXジェンダーのままです。一番しっくり来ています。
思い込みや勘違いでXジェンダーでもいい
「Xジェンダーや性別違和は思い込みだ」と言う人もいますが、思い込みでもいいと思います。
あなたが「自分でXジェンダーだと思い込んでいるだけかもしれない…」と悩んでいるなら。
いったんXジェンダーだと思い込んでみるのも良いでしょう。
モヤモヤして苦しいよりずっといいはずです。
あなたらしく生きていけるのが一番ですよ。
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